【書籍紹介】これからの投資の思考法

ウエルズナビのCEO柴田和久氏の著書「これからの投資の思考法」を読み終えました。

基本的には、

「分散投資をして資産形成をしていきましょう」

「そのために誰でも最適な分散投資ができるウェルスナビを作り上げました」

という内容です。

これだけだと、なんだか身も蓋もない印象ですが、柴田氏がウェルスナビというサービスを立ち上げるに至った経緯や背景が真摯にわかりやすく書かれており、個人的には、ロボアドはTHEOをお試し的に使っているのみですが、ウェルスナビもちょっとやってみようかなぁという気になりました。

読みどころ

では、以下付箋をペタペタしたところからのご紹介です。

P9 テーマ投信がつくられる仕組み

多くのテーマ投信は「過去のリターン実績」が高いです。

確かに。

その理由について、どういう風にテーマ投信が作られるかというところから説明がされています。

  1. 毎年数多くの投資テーマが新たに考え出される
  2. そろぞれのテーマに沿って、ごく少額の投資信託として生まれるがその時点では販売されない
  3. その後(例えば1年後)にリターンを計測
  4. リターンがマイナス、低かったテーマは世に出ることなく消える
  5. 結果、「過去のリターン実績の良い」テーマ投信ばかりが商品化され販売される

 

まあ、言われてみれば「そりゃそうだよね」ですが、若干目から鱗でした。

「過去のリターン実績の良い」からと言ってそれが続くとか限りません。むしろその逆が多いことが知られているそうです。

テーマ投資で成功する方法のひとつは、まだブームが到来していないテーマを選ぶことです。

ということは、もう5Gでも自動運転でもな、、、、、何なんでしょうね???

たぶんそんなモノは誰にもわからない=作られたテーマ投信には手を出さない(出してもいいけど、運良くまだ上がっていったら早々に売却)が得策のような気がします。

P45 年に約2.5%ずつ減少する退職金

大卒で企業に就職し定年退職した場合の退職金の平均額

2003年 2500万円 → 2008年 2280万円 → 2013年 1940万円

このペースが仮に続くとすると、現在35歳の人が定年を迎える25年後には、退職金の平均額は1000万円に満たない水準になります。

なんだそうです。

年金額の目減りや、支給年齢の繰上げの話はそこかしこで言われていますが、上記の話は仮設ながらちょっと衝撃ですね。

P70 日本はお互いの富を奪い合うゲームへ突入

これはP56で書かれている、セミナー等で「長期・積立・分散」が資産運用の王道だと話すと、

「長期・積立・分散が大切というのは理論上の話であって、日経平均で長期投資をしてもリターンはマイナスだったのではないでしょうか」

というコメントをもらうというところから始まります。

結論から言うと、日本に限っては事実そのとおりで、

1992年から25年間、日本株(TOPIX)に長期・積立・分散投資した場合のシミュレーションすると、半分の期間で元本割れを起こしていた模様です。

ピケティの数式「r > g」=投資のリターン(r)は経済成長(g)を上回る、結果、長期・積立・分散の資産運用は、経済成長によって増えたパイを投資した皆で分け合うことができます。

しかし「失われた20年」でこの分け合うパイを生み出せなかった日本では、投資家はお互いの富を奪い合うゲーム(ゼロサムゲーム)に参加せざるを得なかった、その象徴が、FXや仮想通貨への参加者が日本に異常に多かった理由だろうと、著者は解説しています。

一人の「億り人」を生み出すためには、単純に計算すると、10万円の損失を出す人が1000人必要です。

お互いの富を奪い合うゲームから、パイを皆で分け合う本来あるべき資産運用の姿へ。

世界を対象に長期・積立・分散投資をすることの真髄が述べられています。

P77 七面鳥の罠

タイトルを見ると、んんっ?なになに??って感じですが、「安定した高いリターンの安心してはいけない理由」を、哲学者のバートランド・ラッセルのたとえ話を元に説明しています。

  • 毎朝人間はエサをくれる
  • 世界の中でも親切なのが人間であり、中でも最も親切な人間がエサをくれる
  • しかし感謝祭の前のある日、七面鳥はその人間によって殺されてしまう

七面鳥が本当に知るべきだったのは、これまでの自分の経験ではなく、親や兄弟たちがどのような運命を辿ったかでした。なぜ自分の両親が生きていないのか、納得が行くまで周りに尋ね回ってみるべきだったのです。

”コラム”として閑話休題のような形で書かれていた内容ですが、ちょっとブラックなネタが好きな私にはとてもツボでした。

P122 第5章 人間の脳は資産運用に向いていない

前の章で、正しく資産運用するための6つのステップが述べられています。

  1. 資産運用の目標を立てる
  2. 最適な資産配分(ポートフォリオ)をつくる
  3. 具体的な銘柄を選定する
  4. 取引の前に、もう一度リスクを確認する
  5. 積立を設定する
  6. リバランスを着実に行う

このステップを踏まえた上で、この章では6のリバランスを例に、人間の脳が正しい行動を妨げるという点に言及しています。

大きく値上がりした資産

  • 正しいリバランス:一部を売却
  • 多くの投資家:追加で購入

値下がりした資産

  • 正しいリバランス:追加で購入
  • 多くの投資家:売却

 

投資の基本は言うまでも無く、「安く買って、高く売る」です。

ところが、多くの投資家がその逆、「高く買って、安く売る」をしてしまっている ということなのです。

日常の買い物では、不作で値が上がったモノは控え、特売の品を買うという、ごくごく普通の行為がこと資産運用になるとそうは行かない。

 

その理由がこのあと以下のように紹介されています。

  • 人間の脳が「損をすること」を極端に嫌う。「損をすること」による感情の揺れは、「得をすること」による感情の揺れのおよそ2倍になる。
  • 元本付近でプラスとマイナスを行ったり来たりするとき、ほんのわずかな変化にも過剰に反応してしまう。逆にプラスマイナスがある程度大きくなると、感情の揺れは小さくなる。

 

心にの揺れは、長期・積立・分散投資を軌道に乗せるうえで、極めて大きな障害になる、だから、そこは人間が判断するのではなく、機械的に判断し対応できるモノに委ねましょう ということから、ロボドアに繋がっていく訳です。

WealthNaviの口座開設計画中

書籍では上に取り上げた内容のほか、財務省→ビジネススクール→貯金が残り8万円→マッキンゼーでVIPな生活→6億の資金調達 といった山あり谷底ありの経験もたくさん書かれています。

2020年には預かり資産を1兆円にという目標に向け、最近ではテレビCMもよく見かけます。

この書籍の出版も、口座開設・預かり資産アップの1つの宣伝チャンネルということではあるのでしょうが、冒頭に書いたとおり、全体的にとても真摯な印象を受けました。

 

以前は100万円、その後は30万円が最低額だったようですが、今は10万円から可能なようですので、早速口座を作ってみようかなかぁと考えています。

 

 

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